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新谷 文将; 平野 雅司; 吉田 一雄; 松本 潔; 横林 正雄; 鴻坂 厚夫
CSNI-178, p.370 - 384, 1990/00
1988年3月9日、米国ラサール2号炉で発生した自然循環状態下での中性子束振動事象は、許認可時の安定性解析の妥当性等いくつかの課題を提起した。原研ではこの事象に関し、1)どのような経過で事象が推移し振動発生に至ったのか、2)当該事象発生のひとつの要因と言われている炉心内出力分布の大きな歪みの安定性への影響はどの程度か、ということを明らかにするための解析を過渡二相流解析コードRETRANを用いて実施した。解析の結果、1)ラサール事象中、炉心入口サブクール度が増大したため振動が発生したこと、2)通常運転時に得られる典型的な軸方向出力分布及び平坦な径方向出力分布を仮定した場合には、ラサール2号炉より自然循環時において振動発生までに炉心入口サブクール度で約10Kの余裕があることがわかった。